渋谷LOVERSが渋谷愛を語り尽くすミートアップ「#シブラバ」初開催

2023.06.29

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多様な価値観が絶え間なく生まれて姿を変え続ける街・渋谷。「#シブラバ」では、その変化を乗りこなして新たなライフスタイルを築き上げるキーパーソンが集って自由に語り合い、渋谷の場が持つ魅力や渋谷ならではのライフスタイルを解き明かしていきます。

関連情報 information

#シブラバ
~渋谷に住み・遊び・働くキーパーソンが渋谷愛を語るミートアップ~

日時/5月23日19:00~21:00
会場/8/COURT(渋谷ヒカリエ8階)
主催/東急株式会社、東急不動産株式会社
企画・制作/Potage株式会社

進行

  • 藤田 祐司

    Peatix 共同創業者/取締役CMO | Co-founder/CMO

    藤田 祐司

  • 河原 あずさ

    Potage代表取締役/コミュニティ・アクセラレーター

    河原 あずさ

出演

  • 日比谷 尚武

    kipples、SHIBUYA-BALCON主宰

    日比谷 尚武

    渋谷区に生まれ育つ。幼少期は渋谷でプラネタリウムや東映まんがまつりなどを満喫し、学生時代は音楽やサブカルに浸る。20代は渋谷のベンチャー企業で過ごし、30代は仕事のかたわら、渋谷でロックバーを運営。最近は「SHIBUYA-BALCON」を主宰する。「人と情報をつなぎ、社会を変える主役を増やす。」をテーマに、広報やマーケティング、新規事業支援、コミュニティ作り、官民連携促進を中心に活動中。

    事前インタビュー
  • 大西 陽介

    道玄坂商店街振興組合理事

    大西 陽介

    渋谷区に生まれ育つ。道玄坂町会役員を務め、道玄坂の「中の人」を自任。 大学卒業後、広告代理店に10年在職し、マス媒体やデジタルマーケティングなどの業務に従事。 2017年より始まった「渋谷盆踊り」の企画サブリーダーをはじめ、渋谷の各イベントの地域担当やまちづくり施策の行政協議の地域メンバーを務める。学生時代よりDJとして活動した経験を生かし、地域へのナイトタイムエコノミーの理解促進と活性化にも取り組んでいる。

    事前インタビュー
  • 熊田 葉月

    ライター・富ヶ谷新聞

    熊田 葉月

    東京都墨田区出身で、15年ほど前より代々木上原に在住。カナダ・トロント在住時代に、会社員として働くかたわらライター業を始める。帰国後、映画やドラマ、アニメなどの映像系CG制作会社に勤務しながら、さまざまなメディアで執筆。現在はフリーライターとして、海外での経験を生かして、ライティング・翻訳などを行っている。ローカルメディアやSNSなどを通して渋谷の魅力を発信する活動にも力を注ぐ。

    事前インタビュー
  • 宇佐美 由衣

    渋谷区

    宇佐美 由衣

    渋谷区に生まれ育つ。大学卒業後、交通広告やSP領域を扱う広告代理店に入社し企画営業を担当。その後、総合制作事業会社でプロモーションプロデューサーとなる。地元の渋谷区に関わる仕事がしたいという思いから特別区経験者採用試験を受験し、2020年より渋谷区に勤務。現在は、SHIBUYA CITY RECORD(デジタルアーカイブ)運営などに従事。5歳から続けるダンスを通じて、職業や年齢の壁を越えたつながりを生み出し続けている。

    事前インタビュー
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東急株式会社 まちづくり戦略担当・後藤美優さん

「#シブラバ」の開催に至った経緯

東急および東急不動産は、2021年に「Greater SHIBUYA 2.0」という事業戦略を策定し、渋谷でしか体験できない形で「働く・遊ぶ・暮らす」の3つを実現するという渋谷型都市ライフを提案しました。しかし、渋谷の外にいる方にとっては、渋谷でどう過ごしたら良いか、特に「渋谷で暮らす」に関してはイメージを持ちづらいようです。そこで、実際に渋谷で「働く・遊ぶ・暮らす」を実践する渋谷LOVERSの皆さんをお呼びして、お話を聞く機会を設けたいと考え、「#シブラバ」の開催に至りました。

「Greater SHIBUYA 2.0」について

渋谷LOVERSが語る「私の渋谷愛」

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最初の一歩を踏み出す勇気を持つと、渋谷の懐に入り込める。

河原本日は渋谷を愛してやまない方々に集まっていただきました。それぞれの渋谷愛を存分に語ってください。最初は、「私の渋谷愛を一言で表現すると?」というお題からいきましょう。

日比谷「偏愛」ですね。私がのめりこんできた音楽もスタートアップも街づくりもそうですが、その時の自分が偏愛してエネルギーを注ぎたい活動が、渋谷では何でもできる。年を取って違う切り口で楽しみたくなっても、全てを受け止めてくれるキャパの広い街だと思います。

河原年を取って良い感じにこじれても受け止めてくれるのは、渋谷の度量の深さという気はしますね。

日比谷渋谷の中なら許されるだろうと、今日もちょっと寒いのに短パンでウロウロしていましたからね。「ちがいを ちからに 変える街」という渋谷区のスローガン通り、個性と受け止めてくれるだろうなと。

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新規事業支援や官民連携に関わる活動など、幅広く渋谷のコミュニティづくりを支える日比谷尚武さん。かつては渋谷駅近くでロックバーを営んでいた

藤田葉月さんはどうでしょうか。

葉月日比谷さんのお話に近いのですが、「懐の深さ」です。偏見を持たずに何でも受け入れてくれる場所だからこそ、新しいカルチャーが生まれるのでしょう。

河原確かに、いったん何でも飲みこむ感じがありますよね、渋谷って。

葉月私も飲み込まれた側なので。

藤田飲食店も懐が深いですよね。一見、身内感があっても、新しい人に対して「おいでよ!」と歓迎するお店がすごく多い。

葉月基本は誰でもウェルカムです。

河原その懐の深さを存分に味わう秘訣は何でしょうか。

葉月最初の一歩を踏み出す勇気でしょう。常連がワイワイとやっていると、やっぱり入りづらいじゃないですか。そこで勇気を出してみると、すぐに受け入れてもらえてコミュニティが広がり、気づいたら街の一員になれているというか。勇気が足りなければ、先にテキーラを一杯いただいてからでも良いと思いますよ。

河原ちょっと「沼」感がありますよね。最初の一歩を踏み出すとズブズブと沈んでいく(笑)。

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お酒の場でコミュニケーションを育む、代々木上原在住の熊田葉月さん

渋谷の価値が高まっていくと、自分の価値も高まる感覚がある。

藤田お次は、大西さん。

大西ちょっと変な日本語ですが、「主観しかできない」。あまりにも渋谷に入り込んで引いて見ることができなくなっている自分の状態が、もしかしたら愛の形の1つなのかな、と。

河原愛は盲目ってことですかね。

大西外国人観光客が渋谷スクランブル交差点を撮影するのを見て、「何が珍しいのだろう」と思ってしまいますが、自分が渋谷の内側で過ごしすぎて良さが分からなくなっているのかもしれません。もはやこの場所からは逃れられず、空気のような存在になっているというか。

藤田大西さんは、ずっと渋谷のど真ん中にいらっしゃいますから。

大西愛とか好きとか、よく分からなくなってきていますね……。

藤田ちょっと違う話になってきました(笑)。

河原でも、最初は恋愛していたけど、どんどん距離が近づいて、渋谷が良い意味で空気のような存在になっているという感覚はよく分かりますよ。

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DJとしての顔も持つ道玄坂商店街振興組合理事の大西陽介さん

河原最後に宇佐美さん、お願いします。

宇佐美大西さんに近いのですが、「渋谷の価値が私の価値」。自分を構成する要素の1つに渋谷である場合、渋谷の価値が上がると、自分の価値も上がりますよね。だから、渋谷の価値が高まるにつれて、私もどんどん素敵な人になれるのではないかと思うんです。そう考えて、渋谷がもっと素敵になるように、またあまり知られていない素敵さを発信できるようにと思っています。

藤田まさに自分事として渋谷を良くしたいということですね。

宇佐美そう。だから素敵な外タレが渋谷でイベントをやってくれると、「私のためにありがとう!」と思いますもん。

藤田スーパーポジティブですね(笑)。

大西ニュースでも渋谷の映像ばかり放映されて、「うちの街を取り上げてくれてありがとう」と、いつも思います。

宇佐美何もしなくてもプロモーションしてもらえるのは恵まれていますよね。

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生まれも育ちも笹塚。「どこでも踊る!」底抜けに明るい渋谷区役所の宇佐美由衣さん

住む・遊ぶ・働く、渋谷LOVERSの「イチオシ渋谷活用法」とは

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当日、会場は定員50人で満席。「渋谷好き」を自負する参加者が集まりました。

渋谷ほど何かを始めることへのハードルが低い街はない。

河原次のお題は、「住む・遊ぶ・働く、私のイチオシ渋谷活用法」です。

宇佐美これは「レンタサイクル」ですね。公共交通にレンタサイクルを組み合わせると、渋谷区の移動がすごく容易になるので。Googleマップを活用しながら、ここまでは電車、ここからは自転車と乗り継ぐことで、とても遊びやすくなりました。

藤田いまレンタサイクルがすごく増えていますしね。

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宇佐美渋谷は移動しづらさが難点だったと思うんです。例えば、笹塚から広尾への移動はとても大変でしたが、自転車があると点と点だった場所が線につながるんです。自転車をこいで新しい景色を眺めながら渋谷の街を楽しめるのは、革命的ですよ。

大西起伏が激しいので電動自転車がおすすめです。

宇佐美そうですね。むしろ勾配も楽しんでもらいたいです。

藤田次は、日比谷さん。

日比谷「自分で何かやる」ですね。街づくりや行政に携わる人と知り合いになって、「こんなことがやりたい」「ここが課題だと思う」などと伝えると、「試しにやってみたら」と、意外とすぐに始められます。私は全国のいろいろな自治体の街づくりに参加していますが、渋谷ほど何かを始めることへのハードルが低い街はないと感じますね。

河原ベンチャー企業や行政、教育機関など、何かをやりたい人を支援する人が多いですよね。その土壌があるからこそ資本も入って、良い循環が生まれているのでしょう。

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日比谷渋谷は既にでき上がっている街に見えるし、大手資本も参入しているので、外から見ると入りづらいかもしれませんが、意外と緩いんですよね。ぱっと見の派手さと比べると間口はかなり広いと思います。

藤田最初の一歩は、どのような行動が大切でしょうか。

日比谷そういうことを仕かけている人に便乗して一緒にやってみると良いと思います。

河原こういうイベントもそうですが、渋谷に3人くらい集まって「こんなことをやりたい」と話していると、わらしべ長者のようにつながって実現しそうですよね。

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肩書きのハードルが外れる夜の出会いから新しいことは始まる。

河原では、葉月さん。

葉月「人と出会う」ことが、「住む・遊ぶ・働く」の全てにつながる渋谷の活用法だと思います。面白い人が国内外から集まっているので、飲み屋さんなどで人と出会うと、ちょっとしたアイデアが広がって形になっていきます。日比谷さんの仰ったように、何かやりたいと思ったら本当に実現できるんですよ。

藤田人との出会いをきっかけに活動が広がっていくということですね。

河原ひょんな拍子でつながったことを面白がって、せっかくのご縁だからと展開していけることが渋谷の持っているエネルギーだと、お話を聞いて思いました。

葉月渋谷にいると、いろんな影響を受けるので毎日がすごく楽しくります。

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藤田大西さん、お願いします。

大西「新しいことは、夜生まれる」としました。昼間は肩書きがバリアになって深いつながりが生まれづらいことがありますが、夜には立場を超えて文化的に人とつながれる場が、渋谷にはあると思います。とにかく夜に動きましょう。

藤田確かに、渋谷の朝と夜のエネルギーは全然違いますよね。

大西本当に昼と夜に会う人では、やっぱり心のバリアみたいなものが全然違うのかなと。せっかく渋谷で過ごすのなら、そのへんを生かした方が良いかなと思って。

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藤田日比谷さんもやっぱり夜がおすすめですか。

日比谷夜もおすすめですね。ご高齢の住民の方は、夜に出てこないこともありますが、そういう方の渋谷観はまた少し違うのかなという思いは持っています。

宇佐美渋谷は働くというキーワードがしっくりとくる街になってきたので、朝、昼、夜のどの時間帯も楽しめるかなと思いました。

河原渋谷では、人それぞれの時間の境界線の解かし方があって、自由にカスタマイズできるところがありそうですね。

渋谷LOVERSは、渋谷の変化をどう捉えている?

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どう変わっても渋谷は渋谷。良い意味で時代に流されていく。

藤田最後になりますが、いま渋谷は大きく変化しています。この変化をどう捉えているかをお聞かせください。

葉月人が本当に増えていますね。私が引っ越してきた当時の代々木上原は人が集まる場所ではなかったのですが、今では24時間人が歩いています。それがある種の渋谷のパワーになって街の発展につながっていると感じます。

宇佐美いま言われている「100年に1度の再開発」とは、東急さんが渋谷に乗り入れてから100年ということのようです。今回は大きな変化かもしれませんが、そもそも渋谷は変わり続けていて、それに抗う人も乗っかる人もいる。そこにハレーションが起きるからこそ、文化がいろいろ生まれてくるのでしょう。いわば変化をエサにして新しいカルチャーを作る人が集まりやすい土地だと思います。

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大西一部の人から再開発によってガラス張りのビルばかり増えて個性が失われたという声も聞こえてきますが、過去の街並みを見渡すとずっと変わり続けているんですよね。そういう意味で渋谷はしなやかさ、可変性の塊であって、どう変わっても渋谷は渋谷なのだろうと思います。良い意味で時代に流される街とも言えるでしょう。いかようにでも変わっていくし、それを悔いたり心配したりしないのが渋谷の良さだと思います。そういう街が東京に1つはあっても良いでしょう。

日比谷お三方の言うように変化し続けているから、ある瞬間を切り取ったら「あの渋谷が失われた」となりますよね。でも、それは変化する街だから当然だと思いますよ。渋谷は「ある時代はこうだった」という変化のアセットが蓄積されているので、次は何をするかを柔軟に考えやすい。その半面、ペシミスティックに見ると、「どうせ変わっていくから付いていけない」という人もいるかもしれませんが、だったら「踊らにゃ損」「自分も乗っかろう」という気持ちでいた方が良いと、僕は思いますね。

藤田本日はどうもありがとうございました。皆さんの言う通り、この街に生まれる出会いと変化をきっかけにしてもっと渋谷を楽しんでいきましょう。

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登壇者や客席の参加者全体でハートマークを作って記念撮影。

来場者が語る「あなたにとっての渋谷とは?」

当日、イベントに参加した来場者に「渋谷とは?」をテーマにアンケートしました。その回答の一部をご紹介します。

  • 「これまで起業家として渋谷で創業して、渋谷で成長して、渋谷でEXITしました。渋谷はまさに街そのものがスタートアップだと思います。引き続き、渋谷のアントレプレナーとして動いていきます。」
  • 「渋谷のカオスさにひかれて引っ越してきました。私の分析では渋谷には7つ以上の顔があり、道を曲がると全く雰囲気が異なるのが「沼」のようなイメージです。今後も渋谷を探究していきたいです。」
  • 「渋谷出身で、いま起業について学んでいます。渋谷から日本を変えたいと思っていて、将来は渋谷区長になりたいと思っています。」

初回イベントを終えて(感想)

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「過去があるから今がある」(藤田祐司さん)

登壇者の皆さんの渋谷に関する情報がすごくディープで、「こんなに面白い話があるのか」と驚きましたし、「過去があるから今がある」と再確認できました。いろいろな話が出てきましたが、人と出会うことと変化に乗っかることを楽しんでいるという共通点が見えてきたのも面白かったですね。

「変わり続けることが前提の街」(河原あずささん)

これが渋谷の面白さだという話がたくさん聞けました。変わり続けることが前提にある街というのは日本でも渋谷くらいではないでしょうか。そこを楽しみ尽くしている人たちがこれからの渋谷を形作っていくと改めて感じ、今後、この街はどうなっていくのかというワクワクした気持ちになりました。

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